2024年ラディッシュ最終号『この人にスポット』にご登場下さった児童文学者の岡田淳さんをご紹介します。
西宮市の小学校で図工教師を勤める傍ら1979年に児童文学者としてデビューした岡田淳さん。現在は作家、挿絵画家、翻訳者、エッセイストなど様々な分野で活躍している。
デビュー以来ファンタジーをメインに数多くの作品を発表し、児童文学界の名だたる賞を受賞してきた。
なかでも日本中の図書館に並ぶ「こそあどの森の物語」シリーズ(理論社)は岡田さんの代表作。30年に渡って多くの子ども達に愛され続けるこの物語は“日本のムーミン谷”とも評されている。
「こそあどの森シリーズから “ふしぎな木の実の料理法” “森の中の海賊船” “こそあどの森のないしょの時間” 理論社」
ドキドキの冒険、散らばる謎・・・。架空の世界の中に哲学的なテーマや今日的な課題が幾重にも織り込まれる岡田作品。児童文学の枠に留まらない奥行きの深さがあり、子どもに読んでいるうちに自分がハマったという大人も多い。
〈↑岡田さん手作りのジオラマ。さすが元図工の先生!〉
書斎に並ぶ小さなノートには普段の暮らしの中で見つけた物語のアイディアがぎっしり。
取材時、岡田さんが「これを見つけた時は嬉しかった!」と懐中電灯でデスクの下を照らし、ウサギの形の木目を見せてくれた。
“机の下のウサキチ”(偕成社)の物語はここから生まれたという。
「“机の下のウサキチ” 偕成社」
「本当の中に虚構を混ぜ込むとファンタジーが生まれるんだよ」とにっこり。いたずら好きな少年のままの笑顔に、長年ファンタジーの旗手であり続ける原点を見たような気がした。
〈↑物語を書くアトリエには、自作の不思議なモノがいっぱい!〉
2024年春には大人の胸を打つ短編小説”ねがいの木“(BL出版)を出版。「大切にしたい本に巡り会えたらそれは一生君の味方」。そんな1冊を読者のもとへ届けたいと、岡田さんはこれからも物語を創り続ける。
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小原 由美
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