《岸本先生の人生いろいろ》神戸市在住の児童文学者のつぶやき~診療について考える~

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最近、私の予定表は医者で埋まっている。というか、医者しかない。整形外科(頸椎と腕)、ペインクリニック(腕と手首と首の痛み)、循環器内科(期外収縮)、呼吸器内科(気管支の異常)、耳鼻科(眩暈と嚥下)、皮膚科(間擦疹)肛門科(痔)、口腔外科(舌痛症)舌痛症とは不定期に口の中がしびれ、舌を中心にピリピリと痛む症状。それぞれの病気で検査もいろいろとしてきた。

血液検査は勿論、レントゲン、CT、MRI、心電図、筋電図、眩暈検査、嚥下検査、呼吸検査、ゴム製ハンマーでコンコン叩かれ、筆で撫でられ・・・。妙なことに検査が楽しくなってくる。近頃の検査はグラフで視覚化されることが多い。心電図では期外収縮があると、規則正しい山の前か後に小さな山ができる。それによってどこが悪いかわかるようだ。筋電図は面白い。手にいくつかの電極を付けて、微電流を流す。徐々に強くしていくのだが、手がそれによって自分の手ではないように勝手に動き、その度に波形が描かれていく。もし手の神経がやられていると波形は描かれないそうだ。足のコツコツ検査は。叩かれる度に勝手に大きく反応したので、ああ、大丈夫だと思っていると、「脊髄系が悪いと大きく反応するのです」と言われ、意外でがっかりした。

眩暈検査の名称は知らないが、なかなか楽しい。はじめは体重計のようなものに乗り、目を開けている時と閉じたときの揺れを測る。次にその上にクッションを敷いて不安定にし、同じように測定する。それから両耳にイヤホンをし、額と目の下の筋肉に小さなパッドを張り付ける。片方ずつかなり大きな雑音を流し、その時の筋肉の反応をグラフに表す。私のグラフは明らかに右耳の山が低く、三半規管の前の部分(名前をお聞きしたのだが忘れてしまった)に不具合があるようだ。眩暈はそれが原因のようで、正確にはMRIを撮っての判断となる。呼吸検査にしろ、筋肉の神経、耳の三半規管、心臓の動きなどの多くが視覚化され、わかりやすくなっている。しかし、痛みの計測はでず、自己申告制である。「今の痛みは10段階で言うとどれくらいですか」「えーーっと、8くらいか・・な」ブロック注射をした後で「今は?」「6・・くらい」多くの患者さんがそんな質問をされているのをよく耳にした。味覚、視覚、聴覚・・・多くのものが視覚化されても、痛みを視覚化するのはまずこれからも無理だろう。

と、ここまで私の通っている医者や検査のことについて書いてきたが、本題はそれではない。私の体は一つである。その体に起こる様々な変化、腕や手首の痛みも、おしりや舌の痛みも、呼吸器や心臓の異常も、私の体で起こっている事はどこか繋がっているように感じている。しかし、実際に不整脈だと循環器内科で完結する。痰がよく出るからといって呼吸器内科で検査をし、何もなければ耳鼻科へ回され、そこでも何もなければ終わり。腕の神経に異常がなければ私の管轄ではないので頸椎専門の方に診てもらってください、で終わり。舌痛症が出る時はほぼおしりも腕も痛いのだけど・・とどこでも言えない。なぜ解熱剤と鎮痛剤が同じなのって尋ねる機会なんてない。皮膚科で出された薬と呼吸器科で出された薬が同じってどういうこと。私一人の体を丸ごと見てくださる病院ってないものだろうかとよく思う。専門化され、深く研究されるのはいいことだとは思うが、どこかで一人の人間であることが忘れられ、一つの物体になったようで病院へ行くのが嫌になる時がある。『総合人間科』ってできないものだろうか。

~岸本進一さんPROFILE~

神戸市北区在住の児童文学者。著書「ノックアウトのその後で」(理論社)にて1996年日本児童文芸家協会新人賞受賞。その他、ひだまりいろのチョーク(理論社)・とうちゃんのオカリナ(汐文社)・はるになたらいく(くもん出版)など、著書多数。
小学校教諭として23年間勤務。故灰谷健次郎氏と長年親交があり、太陽の子保育園の理事長も務めた。

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Radish STYLE編集部

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