私の尊敬する方の一人に、元神戸文学館館長の山本幹夫という方がおられる。その方が不定期に月2~3回は『少数異見』というメールマガジンを送ってくださる。時の話題について、短く、時には長く述べられているのだが、それがとても面白い。面白いというのは、そのニュースの見方がかなり違った角度、切り口なのだ。まさに「異見」で、それがまた私の意見とほぼすべてにおいて同じなのだ。それを読むと心はスーッとするし、良かった、私と同じ考えの人がいるのだと、ほぼ社会的な接触を断ってしまった私は、大きな安堵感に包まれる。そこで皆さんにも読んでほしいと思い、山本さんの了解を得ていくつか紹介したい。題字もおもしろいのでそれを含めたつい最新のものを11の項目の中から順序を入れ替えて3つだけ。
【少数異見】
聞いても聞かない、見えても見ない
No.247(2024.7.6)
★ただちに倒産
ことあるごとに「お役所仕事は良くない、民間企業ならこんなことでは済まない」という言説があるが、ほぼ、そう主張する人たちには民間企業の本当のことが分かっていない。彼らにやらせたらたちまち倒産するのに違いない。例えば大阪関西万博、あれが民間企業ならとっくに倒産している。東京五輪もそうだ。
★教育は個人のものではない
国立大学授業料値上げ反対にたいして、「義務教育じゃないんだから、権利とか言うな」という声があるそうだ。
教育は権利でもあるが、国家の生きる道でもある。教育を一部の金持ちのモノにしてしまったら、国家は奈落へ落ちるしかない。
★病院の主役
「患者が主役」を掲げる病院理事長さんがいると聞いた。ほとんどの病院では医者が主役、あるいは役所が主役、あるいは医薬業界が主役なのかもしれない。
特に最後の項に関してはもっと書いてくれーって思った。私は病院通いの毎日だ。偉そうにふんぞり返り、まるで権力は俺様が持っているのだぞと言わんばかりにふるまう医者の多いこと。ある時は「ここは大学病院だぞ」って言われたこともあった。帰り道「それがどうしたん?」って言い返せなかったのがくやしくて、歯ぎしりしたこともある。全ての患者は困り切って医者へ行く。どうして「寄り添う人」になれないのだろう。患者が主役なのにと思うことしばしだった。今まで通った病院の殆どが主役は医者だった。
山本さんの書く文を読んでいて、そうだよそうだよ、一緒だ、と思うときもあれば、ああ、そういう見方もあるのかと、考えさせられるときもある。以前ある大学で「メディア・リテラシー(横文字は嫌いだが、うまく訳せない)」がテーマの講義を持っていたことがある。まさに山本さんのニュースの見方を学生たちに身に着けてほしいと願って引き受けた講義だった。
下記のメールアドレスへ連絡していただき、メールマガジンを配布してくださいとお願いしていただければ、無料で配布してくださると思う。ぜひ連絡してみてください。きっとメディア・リテラシーの授業を受けているように、ニュースに対する見方が違う角度から見る面白さに気づかされること間違いないと思う。
yamamoto_mk1528@yahoo.co.jp 山本幹夫
(児童文学者 岸本進一)
~岸本進一先生PROFILE~
神戸市北区在住の児童文学者。著書「ノックアウトのその後で」(理論社)にて1996年日本児童文芸家協会新人賞受賞。その他、ひだまりいろのチョーク(理論社)・とうちゃんのオカリナ(汐文社)・はるになたらいく(くもん出版)など、著書多数。
小学校教諭として23年間勤務。故灰谷健次郎氏と長年親交があり、太陽の子保育園の理事長も勤めた。
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今井令子
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